2014年3月6日木曜日

「SOUND MARKET」と若者たち

 2月28日(金)、HEAVEN’S ROCK 熊谷へライブを観に行ってきました。
 この日のイベントは「SOUND MARKET」という名のもので、(たぶん)20代の若手のバンドが6組ほど(うち1組はソロ弾き語り)出演しました。
 




 1番手のみるっじさんはソロの弾き語り。みるっじさんは僕をこのライブに誘ってくれた加藤くん(SEED音楽班/心理的離乳Ba)の中学校時代の同級生だそうで、加藤くんは演奏を観ながらなんだかちょっと気恥ずかしそうにしていました。確かに、みるっじさんのとてもナイーブな世界感は、もし中学時代の同級生だったらちょっと照れちゃうかもしれないな、と思いました。

 2番手以降は皆バンドです。
 どのバンドもそれぞれ個性的で面白かったです。

 その中でも、後半3組のバンドが印象に残りました。

 まずはFIRMAというバンド。Gt/Vo、Ba、Drのスリーピース。ライブを観ての一番の印象は、とっても素直な音楽だな、と思いました。優しい感じがしました。僕たちの夏の企画にもお声掛けしてみようかな、と思ったのですが、途中のMCで解散報告があり、残念ながらそれは叶いませんでした。解散の理由はVoの方の個人的な事情によるとのことでした。僕も同世代の同性としてはとても理解できる事情でした。初めて出会ったその日に解散報告を聞く、というのもなかなかドラマチックで、これもライブハウスのダイナミズムの一つだろうなと思いました。

 その次に登場したのはSECRET SERVICEというバンドです。こちらもスリーピースですがDr/Vo、Gt/Voです。「シクサビ」の愛称で親しまれているかっこいいバンドと加藤君たちから聞いていて、実際にライブを観て、その通りだと思いました。格好良かったです。音楽の話をするときによく出てくる言葉として”グルーヴ”というのがありますが、シクサビの演奏を観て一番感じたのがそのグルーヴ感というやつではないかと思いました。ライブ感と言ってもいいかもしれません。もちろん日々練習を重ねている演奏なわけなのですが、でもなにか、いまここで生まれているような生き生きとした感じがしました。そういうのが僕は結構好きです。(音楽に限らず、ダンスや演劇、現代美術、その他映画や小説などでも、そういう感じのある作品は好きです。)ぜひ、僕たちが計画中の夏フェスにお誘いしたいと考えています。

 そして最後、満を持して登場したのがKAKASHIというバンドです。僕は加藤君から以前からちょくちょく「KAKASHIは良いっすよ」と聞いていたのでこの日はKAKASHI目当てでした。会場内の他の人達の様子もおそらくはだいたいの人達がカカシを目指して集まっている様子でした。KAKASHIはG/Vo、Gt、Ba、Drの4人編成のロックバンドです。KAKASHIのライブを観ての僕の第一印象は「よくできたバンド」というものでした。どのメンバーも演奏が上手くて(僕は楽器屋演奏についてはズブの素人ですがそう思いました)、それぞれ個性的な雰囲気もあります。Voで熊谷出身ののそうたさんのナイーヴでストイックなセンスはスター性を感じました。これは非の打ち所がない。本当によく出来ている。そう思いました。
 その上で、もう30間近のおっさんの僕があえてちょっと批評的にKAKASHIについて考察すると、そうたさんの醸すちょっとダークな感覚みたいなもの(つまりちょっと毒っ気を感じさせてくれるもの)が、もうちょっと表に顔を出してきても面白いのかも、と思いました。この日のライブでそういう部分がないわけではありませんでしたが、まだ「よくできたもの」のうちであって、むしろよくできた世界を補完するための「安全な痛さ」として機能しているように思いました。
 KAKASHIのライブからは現代の若者についていろいろと考えさせられました。いろいろ考えさせてくれる表現は素晴らしい表現だと僕は思います。また、こういうバンドが活躍してくれることは地域の若者たちにとっても一つの希望になり得るのではないかと思いました。それは僕が加藤君と一緒に行田で夏フェスをやろうと考えたこととも重なります。きちんと計画を立て、ぜひKAKASHIにも出演の依頼を申請したいと改めて思いました。

 以上でこの日のライブは終了しました。
 
 シクサビにしろKAKASHIにしろ、若い世代は本当に有能だなと思いました。いろいろな分野でそういうことは言われていますが、この日のライブを観て改めてそれを実感しました。やはりそういう有能な若者たちをいかに現実の社会の仕組みの中で活躍させていくか、ということが大人の考えるべき課題であり、実行すべき政策だと思います。具体的には、例えば、ライブハウスというハコモノについてその社会的役割を考えたり、経済的な仕組みを調整したり、文化的価値を提言したりといったこともその一例です。僕があえてまだ19歳の加藤君とタッグを組んで、あえてライブハウスのない行田で、夏フェスを企画しようと考えるのは、僕の大人としての社会的責任と役割と、加藤君の若者ならではの勢いと感性とが、何か面白いことを生むはずだと信じているからです。
 ここまで書いておきながら、やっぱりできませんでしたとなったらそれはもう最低だし、本当に誰にも顔向けできないので、行田で夏フェス、なんとしてでも実現させたいと思います。笑


 音楽班/SEED代表 野本

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